- 添削前
- ちぎったら痛いだろうかキャベツの葉かたく重ねた手のひらに似て
- 添削後
- キャベツの葉手のひらのような形して重なり合っていた過去を持つ
6通のメールをいただき、6通お送りしました。
こちらのメールをしっかり受け止めてくださって、丁寧に寄り添うようなメッセージを送っていただき、とても励みになりました。以前よりも面白く、難しく、奥が深いなと感じるようになりました。
推敲についてアイデアをいただいたり、色々やってみてくださいと励ましていただいたりして、自分でももっと色んな視点で考えてみようと思いました。他の人(読み手)が歌からどんな印象を受けるかということについて、自分では気付かなかった見方を示していただき、とても勉強になりました。一人では、そこまで考えられなかったと思います。
歌のことを考えている時間は楽しかったです。なかなかうまく出来なくて立ち止まることも多かったですが、充実した時間でした。講座を機会に、短歌に関する本を読んだりして、興味の幅が広がったような気がします。
この講座で作った歌以外にも、日常で感じた何気ない印象や感情を大事にとっておけば、短歌の形にできることもあるかもしれないと思うようになりました。
出来上がった歌を読んだとき、(推敲の段階で)迷いに迷っていたので自分ではなかなか完成とは思えなかったのですが、改めて見直してみると、これはこれで一つの森を抜け出てこられたのかもしれないと思うようになりました。最初の歌よりも伝わりやすくなったと思います。5つも歌ができて、なんだか得をしたみたいです。
それから、受講料(9,700円)については、受講者側のチャレンジのしやすさを考えると、妥当ではないでしょうか。歌人の先生に丁寧に個別指導していただけるので、むしろお得かもしれません。
今後も短歌を続けたいです。
受講中は、鑓水先生のおかげで、短歌についてより深く考えることができたように思います。丁寧なご指導、本当にありがとうございました。とても楽しい時間でした。これからも、ささやかな表現手段として短歌をつくれたらいいなと考えております。
また何か歌ができたら、ご指導をお願いすることがあるかもしれませんが、そのときはこれに懲りずご対応いただけましたら幸いです。鑓水先生の今後ますますのご活躍をお祈りしています。
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鑓水青子より、K.S.さんへ
K.S.さん、ご受講いただき、ありがとうございました。
K.S.さんは、これまでにも何首か短歌を作ったけれど誰にも見せたことがないので一度見てもらいたいと、私の講座を受けてくださいました。
はじめに4首見せてくださったので、そのなかから1首を選んで推敲をすすめていきました。
K.S.さんの歌は、どれも短歌の形になっていましたし、こころのようすが伝わってくるものばかり、用いる言葉も心理状況に見合っていて、何より題材がとてもよかったので、どの歌を取り上げるか、慎重に選びました。
はじめの時点ですでに、推敲のなかでも最終の段階に入っていましたし、どの歌もよく考えてしっかり練られていましたから、そこから本当に奮闘なさったと思います。おつかれさまでした。
いろいろな切り口から推敲してくださったので、はじめは1首だったものが、最終で5首にまで派生していきました。
攫われた手のひらみたいなキャベツの葉芯のところで切り離されて
キャベツの葉手のひらのような形して重なり合っていた過去を持つ
手のひらを重ねたようなキャベツ玉たわみつつ葉は剥がしとられる
不意に今朝むしり取られたキャベツの葉つながり合っていた世界から
野菜室夜の底にはキャベツ玉手のひらかたく重ねた形
5首とも、K.S.さんがご自身で作り上げたものです。いずれもすばらしいので、このまま5首まとめて完成としましょう、ということで修了しました。そのうえで、2首めを代表歌ということにさせていただいています。
K.S.さんは、とても素敵な独自の感性をお持ちですから、ご自身の感覚を信じてください。
とてもよく頑張ってくださいました。
こんなに粘っていただいたこと、とても誇りに思います。
K.S.さんとのメール、とても楽しかったです。
こちらが勉強になることもたくさんありました。
これからも、短歌を作りつづけてくださいね。
応援しています!
鑓水青子