電化製品を5つも持っている。オーディオ、洗濯機、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ。私としてはオーディオと洗濯機があれば事足りるのだけれど、結婚当初、夫が「どうしてもテレビと冷蔵庫は置いておきたい。電子レンジもあったほうがよい」と云うから、互いに意見を受けいれて、これらを持つに至った。
おそらく冷蔵庫を持たない家庭は日本では無に等しかろうと思うけれども、私はあまり必要性を感じない。冷やしたいものがないのである。温めたいものも特にないから、電子レンジも使わない。テレビについては、大相撲中継や野球中継や国会中継をたまーに観る程度で、それらの中継も、どちらかというとラジオの実況のほうが趣があって好きです。
と、ここまでは余談、「冷蔵庫について書きますよ」ということの前フリでした。ですからここから冷蔵庫についてお話します。きのうまでわが家に置いていた冷蔵庫は、夫が学生時代に先輩から譲り受けたという、それはそれは小さな箱でした。その冷蔵庫には独立した冷凍庫がついておらず、代わりに冷蔵庫内の右上にドライアイスのようなもので囲ったスペースがありました。3歳の息子が「アイスいればこ」と名づけて親しんでいたそのスペースは、ピノひと箱とアイスキャンデー1本がぴったり入る大きさでした。
ところが突然、このアイスいればこに異変が起きたのです。きのうの夕方、保育園から戻ってきた息子が、「アイスいればこに雨が降っているーっっ!」と、小さな悲鳴をあげたのです。覗いてみると、溜まっていた霜が溶けて水滴になり、それが雨となって落ちています。そろそろ寿命かもしれない。あまり手入れをしてこなかったバツかもしれない。なんとか直そうとしたけれど私の手には負えず、アイスいればこごと冷蔵庫を手放しましたとさ。
おしまい。
(2014年)