自動車教習所に通っている。
信号が青に変わる瞬間、対向直進車が発進する直前のわずかな隙を狙って真っ先に右折する「茨城ダッシュ」に代表されるように、茨城県は交通マナーが非常に悪い。
県内では高校卒業と同時に運転免許を取るのが主流で、無茶をしたい年ごろに免許を取って爆走するものだから、そのときの運転癖がそのままついてしまい、生涯において危険運転をするドライバーが珍しくないのだという。
そんなわけで教習生のほとんどは高校を卒業したての若い世代である。そこで気づいたのは、若い教習生たちはぜんぜん訛っておらずベテランの指導員になるほど訛がきついってこと。
この地に移住して7年。生活しながら感じるのは、高齢になればなるほど方言が強く出るということだ。若い世代の人はあまり訛っていないが、ベテランの教習員たちはものすごく訛っている。
これは世代間の問題だろうか。
今の子どもたちは若い親に育てられているし学校の先生たちも若いからあまり方言を話さないのかとも思ったが、どうも違うようだ。同一人物でも若いときは共通語に近い発音で話し、年が上がるにしたがって訛が出てくる。少しずつ少しずつ茨城弁が上手くなっていく要領で。ここが茨城弁の不思議なところ。
義父母だって15年前と比べたらずいぶん訛がきつくなった。実年齢と茨城弁の訛り具合には相関性があり、ほぼ実年齢に比例して訛が強く出ている(鑓水個人調べ、1次情報のみ)。年齢を重ねるごとに茨城訛の成熟度が増してゆくのだ。ご当地犯罪「茨城ダッシュ」も年齢が高くなるほどやってしまいがち、だそうな。
私だって、ここのところずいぶん訛ってきている(流されやすいタイプなので)。訛るのはいいけど、茨城ダッシュは絶対にやっちゃだめ、と肝に銘じておかなければね。
(2024年)