Works
作品集

連作「十三参り」

色無地のしつけをほどくわれよりもたっばある子の十三参りに
 
最奥の秘密のなかにわれわれはト書のような闇となりゆく
 
帰ったら窓ガラス拭かむ神楽鈴の音しばらくのあい響きわたりぬ
 
陽の射さぬ神殿に子は玉串を捧げるために立ち上がりたり
 
神主の足袋の白きにあらたかな心地して深くふかく礼をす
 
ふた月ののち十三になる息子徐々に口数減りてゆけるも