こんにちは、鑓水青子です。
――(中略)――
4月26日までに仕上げなくてはならないのですね。
10日ありますから、がんばりましょう。
【兼題すみれ、当座雲雀で短歌を作らなければならなくなりました】とのことですが、「すみれ」を題に作る、ということでよろしいでしょうか?
まず、すみれに関して、どんなようすを思い浮かべるでしょうか? 風景をそのまま短歌にするのもよいですし、生活を歌にしつつすみれを織り込むのもよいですね。自分の気持ちをすみれの花にたとえるのもよいでしょう。いずれにしても、春らしいお歌になりそうです。
どんな場面を歌にするのか、を先に考えてもよいでしょう。たとえば、キッチンで作業している場面、花壇の手入れをしている場面、親しいひとと一緒にいる場面……など。
ひとまず、どんなふうに作っていきたいかを考えることと、「すみれ」のほかのキーワードを集めるのがよいかもしれません。
そして、集めた言葉や表現を使って、ひとまず「57577」の形にしてみましょう。はじめはぎこちないもので構いませんので、ここまで一気にやってみましょうか。
考えるうえで迷うこと、質問があれば、いつでもメールしてくださいね。
これからどうぞよろしくお願いいたします。
どんなアイデアが出てくるか、楽しみにしています!
鑓水青子
鑓水青子先生
こんにちは!
早速、メール頂きありがとうございます。
――(中略)――
色々アドバイス頂けると有り難いです。
すみれと雲雀で勝手に作ってみました。
「庭のすみ 見つけたすみれ さり気なく
普通の日々に 感謝こそすれ」
※熊本地震から3年、普通の暮らしができる有り難さをすみれを見て感じたままに読んでみました。
「雲雀鳴く 見上げて探す 黒い点
空も晴々 令和はじまる」
※雲一つない青空で甲高く賑やかに鳴く雲雀、いよいよ新しい元号が始まる期待と喜びを読んでみました。
全くのど素人です。
宜しくお願い致します。
野間和子
野間和子さま
(野間さんのアドレスは、ケータイでしょうか? 長文でも大丈夫ですか?)
さっそく作ってくださったのですね、うれしいです。
――(中略)――
このたびの阿蘇山噴火は心配ですが、近くの方々のご無事をお祈りいたします。
さて、ではさっそく作ってくださった歌について、みてゆきましょう。
庭のすみ見つけたすみれさり気なく普通の日々に感謝こそすれ
まったくのド素人、とおっしゃるわりには、とてもセンスのある、いいお歌です。野間さんの、やさしいおこころが伝わってきます。
さて。
まず、句ごとにスペースを空ける必要はありません。
短歌はふつう、1行で続けて書くのが基本です。
上記のように、すーっと、1行につづけて書きます。
歌壇では、石川啄木が3行書きというのをやって、林あまりが2行書きというのをやって、今橋愛が3行書きというのをやっていますけれど……。3人とも自分のスタイルとして決定してやっているので、そこは歌人の自由です。
「自分の短歌は絶対に多行書きでなければ表現できない!」という強い意志があれば、多行書きを決めてよいと思います。
ただし、多行書きを決めたなら、どの歌も必ず3行書き、2行書きにしないといけません。この歌は1行書きだけれど、こっちの歌は3行書き、というのは作者のスタイルが定まらないのでよくないのですね。
――(中略)――
歌に戻って、初句「庭のすみ」、2句め「見つけたすみれ」、3句め「さり気なく」、結句「感謝こそすれ」、と、4つの句がそれぞれ句切れになってしまったので、プツプツ切れる印象があります。このうちのいくつかを、次の句にすんなりつづくようにすれば、音がやわらかく短歌らしい韻律になりそうです。
とくに、「すみ」と「すみれ」は体言止めなので、くっきりとしたリズムになってハキハキした感じがしますね。体言止めは、テンポをよくしてくれる反面、ブツリとリズムが途切れる印象があります。もう少ししっとりした感じが出せると、春らしく短歌らしく、やわらかい印象になるかな、と思います。
それから、「庭のすみ」と「さり気なく」は、情景がかさなります。「すみ」というだけでさり気なさは出ているので、言葉としてはどちらかを削って、すみれそのものをもう少し丁寧に描いてあげるとよいかな。色とか、形とか、蝶がとまった、とか……。
「見つけた」も、歌そのものが作者の視点で書かれているので、あえて言わなくてもよいでしょう。それよりも、どんなふうか、とか、その場の空気感を補ったほうが、ふくよかさが出ますね。風情や趣、といったことを盛り込むとよいでしょう。
「普通の日々」は、ひとによって概念が異なるので、表現を変えましょうか。このままだと、つまらない印象を与えかねないので。「日々」だけでも伝わりますから、「普通の」は余分かな。何か、日常を表す、ほかのよい表現が見つかるとよいのですが。
「感謝こそすれ」は、日常の会話や散文でもよく使われる言い回しなので、慣用句っぽく聞こえてしまいます。慣用句っぽいものは、読み流されるおそれがありますし、あまり短歌的とは言えないので、語尾を変えてみましょう。もっと自然な言い方でよいでしょう。
そうそう、語順を入れ替えるだけでも、短歌らしさは増しますよ。
と、これらのことを踏まえて、たとえば、
さりげなく庭に咲きいるむらさきのすみれに日々を感謝しながら
と、直してみます。これはひとつの例です。
これでもまだまだ推敲していかなければなりませんが、短歌らしさ、という点においての理解にはつながったでしょうか?(「咲きいる」は、咲いている、という意味です)
では、次のお歌。
雲雀鳴く見上げて探す黒い点空も晴々令和はじまる
こちらも、いいですね。結句がとくに、いいですね。「令和はじまる」、いいですね。そういえば、「令和」には、野間さんのお名前が入っていますね。素敵ですね。
1行で書くと、漢字の多いことに気づきます。漢字が多いことは悪いことではありませんが、黒黒として見えることと、短歌というよりも漢文のような印象を受けること、が特徴です。短歌らしさはあまりないけれど、あえてそこを狙うならそれもアリですし、うまくハマればかっこいい1首になります。
ただ、そうは言ってもやはり短歌は日本の歌なので、ひらがなを多用してやわらかさを出したほうがしっくりしますし、そのほうが和歌的なリズムにも合います。
なので、もし漢字や漢語に対するこだわりがないのなら、すこし漢字を減らしてひらがなを多くするとよいかな、と思います。
和歌的なリズムという点でも、推敲の余地がありそうです。
そしてやはり、体言止めが多いですね。「鳴く」「探す」「はじまる」は動詞の終止形、「黒い点」「空も晴々」が名詞の体言止め、なのでやはりリズムが途切れる感じがします。
結句はとてもよいので、そのまま残したいですから、ほかの動詞を修正してゆきましょう。
動詞が4つ(「鳴く」「見上げ」「探す」「はじまる」)もあるので、減らしましょうか。動詞が多いと、せわしない印象を受けるのです。
「黒い点」は、空を飛ぶ雲雀のことですね? 「黒い点」と書かれてあると、暗い、後ろ向きなイメージが先行してしまうので、明るさや期待や喜びから遠のいてしまいます。ですから、「黒い点」は思い切って省いてしまいましょう。
晴れわたった空に雲雀が鳴いていて、よろこびのうちに令和がはじまる。そんなことを、うまく1首にできるといいですね。
私も考えてみます。
うーん、、、あまりうまくはないのですけれど、たとえば、
青空に両手いっぱいひろげたら雲雀わたりて令和はじまる
うーん、、、ちょっと軽すぎるでしょうか? 野間さんらしくなくなってしまいました・・・。
ともかく、あまり堅苦しく作りこまずに、自分の動作や情景を、言葉をゆったり使って表してみてください。
というわけで、初回のメールはこのあたりまでにしておきますね。
このメールを踏まえて、推敲してみましょう。
推敲って、難しいですね。いろんなパターンを作って、言葉を入れ替えたり、表現を変えてみたり、してみてください。頭脳と体力を使いますが、楽しみながら取り組んでみてくださいね。
そして、困っていることや質問があれば、いつでもメールしてください。
それでは。また。次のメールも楽しみにお待ちしています。
鑓水青子
鑓水青子先生
――(中略)――
まだ、パソコンの工事がこれからですので、スマホのアドレスですが、長文でも大丈夫です。
なるほど〜やはり色々決まり事があるのですね。
少しずつですが、理解できました。
順番を入れ替えることで、印象がずいぶん良くなりました!
すみれの歌は、もうこのままでも十分と思いますが、さりげなくを人知れずや縁側でに替えるとおかしいでしょうか。
また、最後の感謝しながらは、感謝しつつや感謝するらむですと、ちょっと意味が違いますか。
雲雀の歌は、こちらもなるほど動作や情景を素直に表現すれば良いのですね。
例えば、
あぜみちで雲雀の声をききながら母の手をひき令和はじまる
は、いかがでしょうか?
阿蘇の田んぼのあぜ道で、年老いた母親と賑やかに鳴く雲雀の声を聞きながら歩いている光景です。これから始まる令和の時代にまで母親を引っ張っていきたい気持ちです。
お手数をお掛けしますが、どうぞ宜しくお願い致します。
野間和子
野間和子さま
さっそくにありがとうございます。
さりげなく庭に咲きいるむらさきのすみれに日々を感謝しながら
初句を、「人知れず」や「縁側で」にしてみます。
人知れず庭に咲きいるむらさきのすみれに日々を感謝しながら
悪くないですね。ただし、「人知れず咲いているのに、どうして作者は知っているのだろう」と、読者の疑問につながってしまいます。すみれを主語に置く場合や、自然(たとえば空や宇宙や森や神など)の視点に立って詠むなら、「人知れず」でよいのですが、作者の視点、人間の視点に立ってみると、ちょっと違和感の出やすい言葉かな、と思います。「ひっそりと」とかならよいのですけど。
縁側で庭に咲きいるむらさきのすみれに日々を感謝しながら
「縁側で」のあとすぐ「庭に」と来て、場所が2か所つづけてあると、読者は戸惑ってしまいます。作者は縁側にいて、庭に咲いているすみれを見ているのですが、一度ぱっと読んだだけではそこまでの景色につながらないのですね。散文ならこれでよいのですけれど、短歌でうまく伝えるのは難しいんです。
それから、結句ですね。「感謝しつつ」や「感謝するらむ」に置き換える案をいただきましたが、「感謝しつつ」だと6音で、字足らずになりますね。文字数は7字ですが、短歌は歌ですから音で数えます(「しゃ」は1音になります)。
短歌には「字足らず」や「字余り」というものがあるので、ダメというわけではないのですが、結句が字足らずだと、全体のリズムがぐぐっと崩れてしまいます。よほど字足らずで主張したい何かがない限りは、結句の字足らずは避けたほうがよいでしょう。とくに結句が字足らずのまま収まりをつけるのは高度ですので。
それから、「感謝するらむ」について。終止形「らむ」には推量の意味があり、「感謝するらむ」だと、「感謝するだろう」となって、感謝に対してとても消極的になってしまいます。こころから感謝しているのに、これではもったいないですね。
どうしましょう。なんだか文句ばかりつけてしまったようで恐縮ですが、読者にどう読まれるか、どう受け取られるか、ということも意識のうちに入れてくださいね。
さて。では、気を取り直して、雲雀のお歌へ。
あぜみちで雲雀の声をききながら母の手をひき令和はじまる
こちらは、ぐんとよくなりました。
4句め「母の手をひき」は、「手をひき」だと、こちらが優位に立っているふうなので、「母の手をとり」くらいにしましょうか。「手をとり」だと、ともにいる感じが出ますし、野間さんのやさしくあたたかいお心遣いも見えてきます。
あぜみちで雲雀の声をききながら母の手をとり令和はじまる
とてもよいと思います。
初句は、このままでももちろんよいですが、「あぜみちに」とすると、短歌らしくなります。場所を言うとき、「〇〇で」のところを「○○において」という意味の「○○に」とすると響きがやわらかくなるので、歌人は好んで使うんですよ。
あぜみちに雲雀の声をききながら母の手をとり令和はじまる
いかがですか? こればかりは好みの問題なので、お好きなほうを選べばよいですけど。
雲雀の歌は、もう、ほかには何も言うことがありません。とてもよくできていますから、これで完成となりそうです。
すみれのほうは、もう少し粘ってみますか? 今回、厳しく言ってしまったので、八方ふさがりになってしまいそうかもしれませんが、どんどんいろんなパターンを引き出して、そこから取捨選択していく作業を積み重ねてゆくのが推敲ですから、悩みに悩んで、悩みぬいてください。頭脳と体力を使ってじっくりと考え抜く、ということが大事です。
あとは楽しむことです。楽しみながら、言葉を選んだり、表現をくふうしたり、単語を入れ替えたり、してみてください。
もうこれ以上うまくゆきそうもないなあーと思ったら、元の歌に立ち返ってみるといいですよ。いろいろ練ったけど、やっぱり元のほうがよかった、なんてこともありますから。
推敲しているあいだは悩みがつきないと思いますが、何かあればいつでもご相談ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
鑓水青子
鑓水青子先生
色々アドバイス頂き、ありがとうございます。
雲雀の方が出来上がり、ホッと致しました。
一文字で印象がぐっと良くなりました。
すみれですが、ちょっと考えてみました。
感謝は3文字と数えるのですね〜勉強になります。
ひっそりとうす紫のすみれ草そっとゆびふれ日々に感謝す
地震から3年経って、庭の片隅で見つけたすみれにホッとするひと時を読んだものです。
野間和子
野間和子さま
おはようございます。すみれのお歌、よく考えてくださり、うれしいです。
ひっそりとうす紫のすみれ草そっとゆびふれ日々に感謝す
淡い、やさしい雰囲気が出ていて、とてもよいですね。あとすこし、リズムをととのえるとぐんとよくなるでしょう。リズムの善し悪しは、声に出して読んでみるとはっきりします。すんなり読めれば、きれいな韻律という場合が多いです。何度かつっかえてしまったなら、つっかえた部分の言葉のつながりを意識しながらリズムをととのえてみてください。
「ひっそりと」と「そっと」は、少しニュアンスがかさなるかな。「と」の部分で息がほんの少し切れるので、どちらかを変えるのがよいでしょうか。
ひっそりと【v】うす紫のすみれ草【V】そっと【v】ゆびふれ日々に感謝す
【V】の部分で、息継ぎが入るのです。小文字【v】のほうは小さな息継ぎ、大文字【V】は大きな息継ぎ(句切れ)です。息継ぎが3か所あるので、リズムがちょっと切れがちかもしれませんね。
4句め「そっとゆびふれ」を修正するのがよいでしょうか。
ひっそりとうす紫のすみれ草○○○○○○○日々に感謝す
4句めの7音に、こころを動かす何かを入れるか、動作を入れるか(元のそっとゆびふれのように)、すみれのたたずまいを入れるか、日常のできごとを入れるか。
どんなフレーズでもよいのですが、すんなり結句につながるような韻律で入れたいですね。前の3句のあとに句切れがあるので、4句めから結句にかけてはすーっと読みつなぎたいです。
とはいえ、全体的にとてもよくできています。あと一歩ですから、少し粘ってみてください。楽しみにしています!
鑓水青子
鑓水青子先生
おはようございます。早々にありがとうございます。
どうしても被災した者として、この時期は震災を思い、復興を願い、すみれの花にささやかな幸せを感じてしまいます。
考えたのですが、
ひっそりとうす紫のすみれ草○○○○○○○日々に感謝す
○部分に、あれから三年、復興めざしですと固いでしょうか?
野間和子
野間和子さま
おはようございます。考えてくださり、ありがとうございます。
ひっそりとうす紫のすみれ草あれから三年日々に感謝す
ひっそりとうす紫のすみれ草復興めざし日々に感謝す
どちらも素直で悪くはないですけれど、「三年日々」「草復興」と、漢字の連なりが読みづらさを与えてしまうので、このあたりの工夫が必要でしょう。
読みづらさを解消するための工夫は必要になりますが、被災したのちに気持ちを立て直したのだということがまっすぐ伝わるように、「熊本地震」や「震災」という字をストレートに入れてしまってもよいかもしれません。
前後の語なども少し変えたりしながら、工夫してみてください。私も、どんなふうにできそうか、考えてみますね。
あともう少しなので、がんばりましょう!
鑓水青子
鑓水青子先生
おはようございます。
ちょっと雰囲気を変えて、
なゐのあと阿蘇しずまりし春の日の光の中にすみれ一輪
なゐは地震の事との事。たまたま親戚のおばあちゃんに聞きました。
野間和子
野間和子さま
おはようございます。さっそくにありがとうございます。
なゐのあと阿蘇しずまりし春の日の光の中にすみれ一輪
とてもよいですね。「地震」と書いて「なゐ」と読ませるのは、短歌ではよくあります。なゐは、地震の古語ですね。
表記を「地震」と漢字にして、「なゐ」とふりがなを振るのがよいかな。
地震(なゐ)のあと阿蘇しずまりし春の日の光の中にすみれ一輪
被災したあとの、呆然とした状態のなかにも、ひとすじの光、一輪のすみれ、希望の光は射しているのだ、というメッセージがよく伝わってきます。「阿蘇」と場所を限定したこともお手柄ですね。固有名詞を出すと、具体性が出ますし、1首が締まります。
とてもよいでしょう。
「ゐ」という字は、歴史的仮名遣い(旧仮名遣い)なので、ほかの字も旧仮名に揃えるとよいでしょう。新仮名遣いで「ない」としてしまうと、雰囲気が壊れてしまうので、ほかをこちらに合わせましょうか。
地震(なゐ)のあと阿蘇しづまりし春の日の光の中にすみれ一輪
これで、ばっちりですね。素敵な短歌になりました。
縦書きにしたときは、「地震」の右側に「なゐ」とルビを振るようにしてくださいね。メールの横書き文だと、( )のなかに入れて同じ行にしてしまっていますが、このままだとせっかくのお歌が台無しになってしまいますから。
それから、雲雀の歌のほうも、旧仮名遣いにしておきましょう。
あぜみちに雲雀の声をききながら母の手をとり令和はじまる
あ、こちらの歌に使われている語はすべて新仮名と同じですね。このままでよいでしょう。
せっかくなので、仮名遣いに関して、少しお話ししますね。
日本語の仮名には、「新仮名」と「旧仮名」の2種類があります。
私たちがふだん使っている仮名は、「新仮名」です。「あいうえお」から、「わをん」までですね。
いっぽう、「旧仮名」というのは、 新仮名にかわる前の時代に使われていた仮名です。「ゐ」「ゑ」などが混じっていて、「言う」を「言ふ」、「ちょうちょう」を「てふてふ」と表記する、平安時代から使われていた旧来の仮名のことです。
――(中略)――
どうしても旧仮名を使いたいけれど、ちょっと自信がないわという場合は、辞書をひくとよいです。広辞苑などの辞書には、見出し語のすぐ下にカタカナで小さく旧仮名が記されています。旧仮名で歌を作るときは、確実と思われても、念のために辞書をひいて、正しく使うように心がけてくださいね。
それでは、最後に、野間さんのお歌を2首並べておしまいにします。
地震のあと阿蘇しづまりし春の日の光の中にすみれ一輪 / 野間和子
あぜみちに雲雀の声をききながら母の手をとり令和はじまる / 野間和子
これで完成です。いかがでしょうか。とてもすばらしい出来ですね。おめでとうございます。
いい歌ですので、大事になさってくださいね。はじめての短歌作りはいかがでしたか? 曲水の宴、楽しんで臨んでください。
そして、もし、また見せていただける歌があれば、または新たに短歌を作りたいとお思いになったら、お声がけいただけると嬉しいです。
野間さんとのメール、とても楽しかったです。これからの人生も、ずっと応援していますので。どうかお元気で!
本当にありがとうございました。そして、2首完成おめでとうございます!
鑓水青子
鑓水青子先生
良かったです!!
やはり地震を入れたかったのと、自宅の片隅だとちょっと寂しい気がしましたので、雲雀の光景とダブりますが、阿蘇になりました。
来月4日は、いよいよ本番の代継宮曲水の宴です。7名の歌人に選ばれてしまい、カツラをかぶって、十二単を着るとのことです。
短歌が決まったので、これから短冊に書く練習を始めます。書は長くやっていたのですが、ここ数年は全く筆を取っていなかったので、アドバイス頂いた通り頑張ってみます。
ど素人のわたくしに色々丁寧なアドバイスを頂き、本当にありがとうございました。
――(中略)――
初めての短歌をご指導いただき感謝致します。
野間和子
野間和子さま
おはようございます。あらためまして、講座の修了おめでとうございます。
――(中略)――
すみれのお歌も、雲雀のお歌も、こころやさしく、やわらかい、それでいてしっかりと芯のある、野間さんらしい2首に仕上がりましたね。短冊に墨書すれば、さらに引き立つでしょう。十二単をお召しになっての宴、きっとすてきな時間になりますね。
それでは、このたびのご縁に感謝しつつ。
またいつかご一緒できることを願いつつ。
ありがとうございました!
鑓水青子