- 添削前
- 立ち枯れの紫陽花見送るダンボール運び出されて静まる古家
- 添削後
- 紫陽花の濃いあおゆれる古家の戸しめて名ごりをそっと置きゆく
鑓水先生とはそれぞれ8回ずつ送信と受信を繰り返しました。
1回のメールの内容が丁寧で濃かったです。
1度読んだだけで身につくものではありませんので、言葉を推敲するときに、読み返しては考え読み返しては考え、でした。
また、作品についての具体的な指導(8往復)の他に、短歌を作るヒントとしてのメールも4回受け取りました(鑓水先生から届いたメールはあわせて12通)。
もらったヒントを自分の短歌に当てはめて考えて行きつ戻りつ考えましたので短歌の基本的な考え方が一回ごとに深まる感じです。
この講座を受けて、短歌に抱くイメージや、短歌に対する意識が変わりました。
始める前は、短歌のルールはいろいろあるのだと思っていました。縛りが厳しいイメージでした。
でも、短歌は57577の音数だけしか決まっていないことを知りました。
旧仮名遣いを無理に使わなくて良いことや、漢字やひらがなの分量の調整、言葉の連なり、連なり方、音の響き……気持ちを全ての言葉に行き渡せることが何より厳しいことなんですね。
短歌をつくることは、楽しかったです。
引っ越しの場面を詠んだのですが、鑓水先生と直接メールをやりとりすることで、引っ越しを咀嚼し飲み込んで、自分の中に落とし込めました。
はじめての歌が出来上がったときは嬉しかったです。
これで良いのね~と思いました。何しろ未知の世界でしたから。
自分でつくった歌は、大事にします。
引っ越しという出来事をしばらくは身近に置いておきたくて、額装された短冊を自分の部屋に飾りました。素敵になって鎮座する短歌、読み返し眺めてこそばゆさを感じながらニヤけてしまいます。
受講料の9,700円は、最初、高いと思いました。でも、濃密な内容の指導メールが1回千円なら安いのかも!その他にもヒントをもらいましたし。
短歌に対してもっと欲が出てきたら、また受講したいと思います。
次の歌をつくったら、また鑓水先生に見て頂きたくなると思いますから。
鑓水先生へ。
1回の指導メールの文章を書く労力は大きく、大変だと思います。
短歌の楽しみが普く広がりますように、ますますのご活躍を応援します。
ありがとうございました!
———
鑓水青子より、ナカジマケイコさんへ
ご受講くださり、ありがとうございました。1首めの修了、おめでとうございます!! 素敵な短歌に仕上がったこと、とてもうれしく思います。これからも、ケイコさんらしさを大切に、ますます輝いていかれることを期待しています。
さて。ナカジマケイコさんは、3人の男の子(いちばん下のお子さんが高校2年生)を育て上げたスーパーパワフル美人ママさんです。梅雨時にお引っ越しをされて、その光景を短歌にしたいと私の講座を受けてくださいました。短歌を作るのはまったくはじめて、とおっしゃっていましたが、とてもセンスがよく、3回の書き直しで仕上がりました(やりとりは8往復でした。作歌についての相談のメールもありましたから)。
せっかくですので、ケイコさんの歌の変遷をご紹介しましょう。
立ち枯れの紫陽花見送るダンボール運び出されて静まる古家
↓
色あせた紫陽花たたずむ古家には名ごりを置いてドアを閉める
↓
あせた色の紫陽花のこる古家の戸しめて名ごりをそっと置きゆく
↓
紫陽花の濃いあおゆれる古家の戸しめて名ごりをそっと置きゆく / ナカジマケイコ
いかがですか? はじめてとは思えない、すばらしい出来でしょう?
ケイコさんも私も、とても気に入った1首に仕上がって、大満足となったのでした。
この歌が色紙に墨で清書されて額装されているのですから、見栄えも相当なものです。
ケイコさんと鑓水の往復書簡、やりとりのメールを一部抜粋してご紹介しています。どのような過程を経て変わっていったのか、ぜひ読んでみてくださいね。